Course of Study - Elementary School (2017)
This page contains the text of the chapters/sub-chapters of the most recent Course of Study for Elementary Schools relevant to foreign language and foreign language activities.
This revised Course of Study was published by MEXT in March, 2017.
A provisional translation (still a WORK IN PROGRESS) is listed first, followed by the original, Japanese text below it.
Notes on the Translation
The 2017 Course of Study delineates students' learning into the following three broad "categories" or pillars:
- 知識及び技能 (Chishiki oyobi Ginō; "Knowledge and Skill")
- 思考力・判断力・表現力等 (Shikō-ryoku, Handan-ryoku, Hyōgen-ryoku, tō; "Thinking Ability, Judgment, Expressiveness, etc.")
- 学びに向かう力・人間性等 (Manabi ni Mukau Chikara, Ningensei, tō; "Abilities toward Learning, Humanity, etc.")
These three pillars, which are rooted in 道徳 (Dōtoku; Moral Education), form the basis of every subject (and non-subject class/activity) outlined within the Course of Study. Each pillar has a specific meaning as outlined in Chapter 1 of the Course of Study. Be aware that when you see these terms, they refer to these specific meanings. Also be aware that the Moral Education curriculum forms the basis upon which every other subject is built.
The Course of Study also references 資質・能力 (Shishitsu, Nōryoku; Talents and skills). "Talents" specifically refers to innate abilities in students (which are to be fostered/cultivated by teachers), while "skills" specifically refers to abilities which students have acquired through outside instruction (the acquisition of which are to be continued by teachers). The Course of Study usually lists these two together as a set, recognizing the difficulty of differentiating between students' abilities which are manifestations of innate "talents" versus acquired "skills," while also recognizing that these two are separate processes.
(English begin)
Cover (English - Provisional Translation)
- Course of Study for Elementary Schools
- March, 2017
- MEXT
Chapter 2 - SUBJECTS (Sub-chapter 10 - FOREIGN LANGUAGE)
I. OVERALL OBJECTIVES
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
- (1) 外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。
- (2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。
- (3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
II. OBJECTIVES AND CONTENTS FOR EACH FOREIGN LANGUAGE (ENGLISH)
1 OBJECTIVES
To develop the talents and skills laid out in "I. OVERALL OBJECTIVES" (1) and (2) integratedly through instruction based on the characteristics of English learning and aimed at realizing the objectives established in the five areas of listening, reading, speaking (interaction), and speaking (production), and, through the completion of such, to develop the talents and skills laid out in "I. OVERALL OBJECTIVES" (3).
(1) Listening
- To develop an ability to make out simple vocabulary and/or basic expressions concerning the students themselves and/or simple matters in the students' immediate vicinity when spoken to slowly and clearly.
- To develop an ability to make out concrete information concerning simple matters in the students' immediate vicinity related daily life when spoken to slowly and clearly.
- To develop an ability to grasp the outline of short speeches concerning simple matters in the students' immediate vicinity related daily life when spoken to slowly and clearly.
(2) Reading
- To develop an ability to pronounce the readings of letters, recognizing them when they are written in block script.
- To develop an ability to understand the meaning of simple vocabulary and basic expressions which students have been thoroughly familiarized with through speech.
(3) Speaking [Interaction]
- ア 基本的な表現を用いて指示,依頼をしたり,それらに応じたりすることができるようにする。
- イ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うことができるようにする。
- ウ 自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いてその場で質問をしたり質問に答えたりして,伝え合うことができるようにする。
(4) Speaking [Production]
- ア 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
- イ 自分のことについて,伝えようとする内容を整理した上で,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
- ウ 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
(5) Writing
- ア 大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。
- イ 自分のことや身近で簡単な事柄について,例文を参考に,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるようにする。
2 CONTENTS
〔Grades 5-6〕
〔Knowledge and Skill〕
(1) Rules and Characteristics of English
実際に英語を用いた言語活動を通して,次に示す言語材料のうち,1に示す五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する。
A. Pronunciation
Basic words, phrases, and sentences should be used for the following:
- (a) Pronunciation of contemporary standard English
- (b) Sound changes resulting from liaison
- (c) Basic stresses in words, phrases, and sentences
- (d) Basic intonation in sentences
- (e) Basic word groups in sentences
B. Letters and Symbols
- (a) Upper and lower case printed letters
- (b) Basic uses of the period, the question mark, the comma, etc.
C. Words, Collocations and Idiomatic Expressions
- (ア) 1に示す五つの領域別の目標を達成するために必要となる,第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に取り扱った語を含む600~700語程度の語
- (イ) 連語のうち,get up,look atなどの活用頻度の高い基本的なもの
- (ウ) 慣用表現のうち,excuse me,I see,I'm sorry,thank you,you're welcomeなどの活用頻度の高い基本的なもの
D. Sentences and Sentence Construction
次に示す事項について,日本語と英語の語順の違い等に気付かせるとともに,基本的な表現として,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用すること。
- (a) Sentences
- a. Simple sentences
- b. Affirmative and negative statements
- c. Affirmative and negative imperative sentences
- d. Interrogative sentences that begin with a verb or with an auxiliary verb (can, do, may, etc.), or begin with an interrogative word (who, what, when, where, why, how).
- e 代名詞のうち,I,you,he,sheなどの基本的なものを含むもの
- f 動名詞や過去形のうち,活用頻度の高い基本的なものを含むもの
- (b) Sentence structures
- a. Subject + Verb
- b. Subject + Verb + Complement, limited to:
- Subject + be + noun, pronoun, or adjective
- c. Subject + Verb + Object, limited to:
- Subject + verb (other than be) + noun or pronoun
- (a) Sentences
〔Thinking Ability, Judgment, Expressiveness, etc.〕
(2) Creating Thoughts while Processing Information, Expressing in English, and Communicating
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
- ア 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の考えや気持ちなどを伝え合うこと。
- イ 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりすること。
(3) Language Activities and Language Function - 1. Language Activities
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のような言語活動を通して指導する。
A. Listening
- (ア) 自分のことや学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞いて,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。
- (イ) 日付や時刻,値段などを表す表現など,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取る活動。
- (ウ) 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イラストや写真などを参考にしながら聞いて,必要な情報を得る活動。
B. Reading
- (ア) 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文字であるか小文字であるかを識別する活動。
- (イ) 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を適切に発音する活動。
- (ウ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレットなどから,自分が必要とする情報を得る活動。
- (エ) 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を,絵本などの中から識別する活動。
C. Speaking [Interaction]
- (ア) 初対面の人や知り合いと挨拶を交わしたり,相手に指示や依頼をして,それらに応じたり断ったりする活動。
- (イ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを伝えたり,簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動。
- (ウ) 自分に関する簡単な質問に対してその場で答えたり,相手に関する簡単な質問をその場でしたりして,短い会話をする活動。
D. Speaking [Production]
- (ア) 時刻や日時,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄を話す活動。
- (イ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意なことなどを含めた自己紹介をする活動。
- (ウ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,学校生活や地域に関することなど,身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを話す活動。
E. Writing
- (ア) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体の大文字,小文字を書く活動。
- (イ) 相手に伝えるなどの目的を持って,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句を書き写す活動。
- (ウ) 相手に伝えるなどの目的を持って,語と語の区切りに注意して,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ基本的な表現を書き写す活動。
- (エ) 相手に伝えるなどの目的を持って,名前や年齢,趣味,好き嫌いなど,自分に関する簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動。
(3) Language Activities and Language Function - 2. Language Function
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。
A. Examples of Language-use Situations
- (a) Situations familiar to the children's everyday life:
- home life
- studies and activities at school
- local events, etc.
- (b) Situations where set phrases are used frequently:
- greetings
- self-introduction
- shopping
- at table
- asking or telling the way
- traveling, etc.
- (a) Situations familiar to the children's everyday life:
B. Examples of Language Functions
- (a) Facilitating smooth communication
- saying greetings
- calling attention
- nodding
- requesting repetition
- repeating, etc.
- (b) Expressing feelings
- thanking
- praising
- apologizing, etc.
- (c) Telling facts and information
- explaining
- reporting
- presenting, etc.
- (d) Conveying thoughts and intentions
- offering
- giving an opinion
- agreeing
- accepting
- declining, etc.
- (e) Asking for action
- inquiring
- requesting
- ordering, etc.
- (a) Facilitating smooth communication
3 TEACHING PLANS AND NOTES ON THE CONTENTS
(1)指導計画の作成に当たっては,第3学年及び第4学年並びに中学校及び高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
- ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。
- B. Proper goals should be set at each grade, so that the objectives mentioned in this Course of Study can be attained over the two years.
- ウ 実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を行う際は,2の(1)に示す言語材料について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行うこと。また,第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に扱った簡単な語句や基本的な表現などの学習内容を繰り返し指導し定着を図ること。
- エ 児童が英語に多く触れることが期待される英語学習の特質を踏まえ,必要に応じて,特定の事項を取り上げて第1章総則の第2の3の(2)のウの(イ)に掲げる指導を行うことにより,指導の効果を高めるよう工夫すること。このような指導を行う場合には,当該指導のねらいやそれを関連付けて指導を行う事項との関係を明確にするとともに,単元など内容や時間のまとまりを見通して資質・能力が偏りなく育成されるよう計画的に指導すること。
- オ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科や音楽科,図画工作科など,他の教科等で児童が学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。
- カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
- キ 学級担任の教師又は外国語を担当する教師が指導計画を作成し,授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
(2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
- ア 2の(1)に示す言語材料については,平易なものから難しいものへと段階的に指導すること。また,児童の発達の段階に応じて,聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と,話したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留意すること。
- イ 音声指導に当たっては,日本語との違いに留意しながら,発音練習などを通して2の(1)のアに示す言語材料を指導すること。また,音声と文字とを関連付けて指導すること。
- ウ 文や文構造の指導に当たっては,次の事項に留意すること。
- (ア) 児童が日本語と英語との語順等の違いや,関連のある文や文構造のまとまりを認識できるようにするために,効果的な指導ができるよう工夫すること。
- (イ) 文法の用語や用法の指導に偏ることがないよう配慮して,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。
- エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,他者とコミュニケーションを行うことに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。
- オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
- カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返ったりすることができるようにすること。
(3)教材については,次の事項に留意するものとする。
- ア 教材は,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことなどのコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を総合的に育成するため,1に示す五つの領域別の目標と2に示す内容との関係について,単元など内容や時間のまとまりごとに各教材の中で明確に示すとともに,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮した題材を取り上げること。
- イ 英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然などに関するものの中から,児童の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。
- (ア) 多様な考え方に対する理解を深めさせ,公正な判断力を養い豊かな心情を育てることに役立つこと。
- (イ) 我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うことに役立つこと。
- (ウ) 広い視野から国際理解を深め,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うことに役立つこと。
OTHER FOREIGN LANGUAGES
The teaching of other foreign languages should follow the five skills in Section 1, OBJECTIVES, as well as the points in Section 2, CONTENTS, and Section 3, TEACHING PLANS AND NOTES ON THE CONTENTS, of English above.
III. TEACHING PLANS AND NOTES ON THE CONTENTS
- English is the normal foreign language to be studied.
- Based on the objectives of moral education (Subsection (2) of Section 2 of Chapter 1, General Provisions), the contents of Section 2 of Chapter 3, Morals, should be taught in a way compatible with foreign language teaching, considering the relation to moral education classes.
Chapter 4 - FOREIGN LANGUAGE ACTIVITIES
I. OVERALL OBJECTIVES
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
- (1) 外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
- (2) 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。
- (3) 外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
II. OBJECTIVES AND CONTENTS FOR EACH FOREIGN LANGUAGE (ENGLISH)
1 OBJECTIVES
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表]の三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) Listening
- ア ゆっくりはっきりと話された際に,自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにする。
- イ ゆっくりはっきりと話された際に,身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする。
- ウ 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする。
(2) Speaking [Interaction]
- ア 基本的な表現を用いて挨拶,感謝,簡単な指示をしたり,それらに応じたりするようにする。
- イ 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする。
- ウ サポートを受けて,自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする。
(3) Speaking [Production]
- ア 身の回りの物について,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- イ 自分のことについて,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- ウ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物などを見せながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
2 CONTENTS
〔Grades 3-4〕
〔Knowledge and Skill〕
(1) Rules and Characteristics of English
実際に英語を用いた言語活動を通して,次の事項を体験的に身に付けることができるよう指導する。
- ア 言語を用いて主体的にコミュニケーションを図ることの楽しさや大切さを知ること。
- イ 日本と外国の言語や文化について理解すること。
- (ア) 英語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに,日本語との違いを知り,言葉の面白さや豊かさに気付くこと。
- (イ) 日本と外国との生活や習慣,行事などの違いを知り,多様な考え方があることに気付くこと。
- (ウ) 異なる文化をもつ人々との交流などを体験し,文化等に対する理解を深めること。
〔Thinking Ability, Judgment, Expressiveness, etc.〕
(2) Creating Thoughts while Processing Information, Expressing in English, and Communicating
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報や考えなどを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
- ア 自分のことや身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を使って,相手に配慮しながら,伝え合うこと。
- イ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどが伝わるよう,工夫して質問をしたり質問に答えたりすること。
(3) Language Activities and Language Function - 1. Language Activities
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のような言語活動を通して指導する。
A. Listening
- (ア) 身近で簡単な事柄に関する短い話を聞いておおよその内容を分かったりする活動。
- (イ) 身近な人や身の回りの物に関する簡単な語句や基本的な表現を聞いて,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。
- (ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれた文字と結び付ける活動。
B. Speaking [Interaction]
- (ア) 知り合いと簡単な挨拶を交わしたり,感謝や簡単な指示,依頼をして,それらに応じたりする活動。
- (イ) 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,好みや要求などの自分の気持ちや考えなどを伝え合う活動。
- (ウ) 自分や相手の好み及び欲しい物などについて,簡単な質問をしたり質問に答えたりする活動。
C. Speaking [Production]
- (ア) 身の回りの物の数や形状などについて,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら話す活動。
- (イ) 自分の好き嫌いや,欲しい物などについて,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら話す活動。
- (ウ) 時刻や曜日,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら,自分の考えや気持ちなどを話す活動。
(3) Language Activities and Language Function - 2. Language Function
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。
A. Examples of Language-use Situations
- (a) Situations familiar to the children's everyday life:
- home life
- studies and activities at school
- local events
- children's games, etc.
- (b) Situations where set phrases are used frequently:
- greetings
- self-introduction
- shopping
- at table
- asking or telling the way, etc.
- (a) Situations familiar to the children's everyday life:
B. Examples of Language Functions
- (a) Facilitating smooth communication
- saying greetings
- nodding, etc.
- (b) Expressing feelings
- thanking
- praising, etc.
- (c) Telling facts and information
- explaining
- telling, etc.
- (d) Conveying thoughts and intentions
- offering
- giving an opinion, etc.
- (e) Asking for action
- inquiring
- requesting
- ordering, etc.
- (a) Facilitating smooth communication
3 TEACHING PLANS AND NOTES ON THE CONTENTS
(1) 指導計画の作成に当たっては,第5学年及び第6学年並びに中学校及び高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
- ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,三つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。
- イ 学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通じて外国語活動の目標の実現を図るようにすること。
- ウ 実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を行う際は,2の(1)に示す事項について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行うこと。また,英語を初めて学習することに配慮し,簡単な語句や基本的な表現を用いながら,友達との関わりを大切にした体験的な言語活動を行うこと。
- エ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科や音楽科,図画工作科など,他教科等で児童が学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。
- オ 外国語活動を通して,外国語や外国の文化のみならず,国語や我が国の文化についても併せて理解を深めるようにすること。言語活動で扱う題材についても,我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うのに役立つものとすること。
- カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
- キ 学級担任の教師又は外国語活動を担当する教師が指導計画を作成し,授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
- ア 英語でのコミュニケーションを体験させる際は,児童の発達の段階を考慮した表現を用い,児童にとって身近なコミュニケーションの場面を設定すること。
- イ 文字については,児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニケーションを補助するものとして取り扱うこと。
- ウ 言葉によらないコミュニケーションの手段もコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,ジェスチャーなどを取り上げ,その役割を理解させるようにすること。
- エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,相手とコミュニケーションを行うことに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。
- オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
- カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返ったりすることができるようにすること。
III. TEACHING PLANS AND NOTES ON THE CONTENTS
- 外国語活動においては,言語やその背景にある文化に対する理解が深まるよう指導するとともに,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を行う際は,英語を取り扱うことを原則とすること。
- Based on the objectives of moral education (Subsection (2) of Section 2 of Chapter 1, General Provisions), the contents of Section 2 of Chapter 3, Morals, should be taught in a way compatible with foreign language teaching, considering the relation to moral education classes.
(English end)
(Japanese begin)
表紙
- 小学校学習指導要領
- 平成29年3月
- 文部科学省
第2章 各教科・第10節 外国語
第1 目標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
- (1) 外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。
- (2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。
- (3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
第2 各言語の目標及び内容等・英語
1 目標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことの五つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 聞くこと
- ア ゆっくりはっきりと話されれば,自分のことや身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞き取ることができるようにする。
- イ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取ることができるようにする。
- ウ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,短い話の概要を捉えることができるようにする。
(2) 読むこと
- ア 活字体で書かれた文字を識別し,その読み方を発音することができるようにする。
- イ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする。
(3) 話すこと[やり取り]
- ア 基本的な表現を用いて指示,依頼をしたり,それらに応じたりすることができるようにする。
- イ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うことができるようにする。
- ウ 自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いてその場で質問をしたり質問に答えたりして,伝え合うことができるようにする。
(4) 話すこと[発表]
- ア 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
- イ 自分のことについて,伝えようとする内容を整理した上で,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
- ウ 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
(5) 書くこと
- ア 大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。
- イ 自分のことや身近で簡単な事柄について,例文を参考に,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるようにする。
2 内容
〔第5学年及び第6学年〕
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,次に示す言語材料のうち,1に示す五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する。
ア 音声
次に示す事項のうち基本的な語や句,文について取り扱うこと。
- (ア) 現代の標準的な発音
- (イ) 語と語の連結による音の変化
- (ウ) 語や句,文における基本的な強勢
- (エ) 文における基本的なイントネーション
- (オ) 文における基本的な区切り
イ 文字及び符号
- (ア) 活字体の大文字,小文字
- (イ) 終止符や疑問符,コンマなどの基本的な符号
ウ 語,連語及び慣用表現
- (ア) 1に示す五つの領域別の目標を達成するために必要となる,第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に取り扱った語を含む600~700語程度の語
- (イ) 連語のうち,get up,look atなどの活用頻度の高い基本的なもの
- (ウ) 慣用表現のうち,excuse me,I see,I'm sorry,thank you,you're welcomeなどの活用頻度の高い基本的なもの
エ 文及び文構造
次に示す事項について,日本語と英語の語順の違い等に気付かせるとともに,基本的な表現として,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用すること。
- (ア) 文
- a 単文
- b 肯定,否定の平叙文
- c 肯定,否定の命令文
- d 疑問文のうち,be動詞で始まるものや助動詞(can,doなど)で始まるもの,疑問詞(who,what,when,where,why,how)で始まるもの
- e 代名詞のうち,I,you,he,sheなどの基本的なものを含むもの
- f 動名詞や過去形のうち,活用頻度の高い基本的なものを含むもの
- (イ) 文構造
- a [主語+動詞]
- b [主語+動詞+補語]のうち,
- (ア) 文
主語+be動詞+ 名詞 代名詞 形容詞
- c [主語+動詞+目的語]のうち,
主語+動詞+ 名詞 代名詞
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
- ア 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の考えや気持ちなどを伝え合うこと。
- イ 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりすること。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項・① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のような言語活動を通して指導する。
ア 聞くこと
- (ア) 自分のことや学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞いて,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。
- (イ) 日付や時刻,値段などを表す表現など,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取る活動。
- (ウ) 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イラストや写真などを参考にしながら聞いて,必要な情報を得る活動。
イ 読むこと
- (ア) 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文字であるか小文字であるかを識別する活動。
- (イ) 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を適切に発音する活動。
- (ウ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレットなどから,自分が必要とする情報を得る活動。
- (エ) 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を,絵本などの中から識別する活動。
ウ 話すこと[やり取り]
- (ア) 初対面の人や知り合いと挨拶を交わしたり,相手に指示や依頼をして,それらに応じたり断ったりする活動。
- (イ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを伝えたり,簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動。
- (ウ) 自分に関する簡単な質問に対してその場で答えたり,相手に関する簡単な質問をその場でしたりして,短い会話をする活動。
エ 話すこと[発表]
- (ア) 時刻や日時,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄を話す活動。
- (イ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意なことなどを含めた自己紹介をする活動。
- (ウ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,学校生活や地域に関することなど,身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを話す活動。
オ 書くこと
- (ア) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体の大文字,小文字を書く活動。
- (イ) 相手に伝えるなどの目的を持って,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句を書き写す活動。
- (ウ) 相手に伝えるなどの目的を持って,語と語の区切りに注意して,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ基本的な表現を書き写す活動。
- (エ) 相手に伝えるなどの目的を持って,名前や年齢,趣味,好き嫌いなど,自分に関する簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項・② 言語の働きに関する事項
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。
ア 言語の使用場面の例
- (ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
- 家庭での生活
- 学校での学習や活動
- 地域の行事など
- (イ) 特有の表現がよく使われる場面
- 挨拶
- 自己紹介
- 買物
- 食事
- 道案内
- 旅行など
- (ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
イ 言語の働きの例
- (ア) コミュニケーションを円滑にする
- 挨拶をする
- 呼び掛ける
- 相づちを打つ
- 聞き直す
- 繰り返すなど
- (イ) 気持ちを伝える
- 礼を言う
- 褒める
- 謝るなど
- (ウ) 事実・情報を伝える
- 説明する
- 報告する
- 発表するなど
- (エ) 考えや意図を伝える
- 申し出る
- 意見を言う
- 賛成する
- 承諾する
- 断るなど
- (オ) 相手の行動を促す
- 質問する
- 依頼する
- 命令するなど
- (ア) コミュニケーションを円滑にする
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1)指導計画の作成に当たっては,第3学年及び第4学年並びに中学校及び高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
- ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。
- イ 学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通じて外国語科の目標の実現を図るようにすること。
- ウ 実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を行う際は,2の(1)に示す言語材料について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行うこと。また,第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に扱った簡単な語句や基本的な表現などの学習内容を繰り返し指導し定着を図ること。
- エ 児童が英語に多く触れることが期待される英語学習の特質を踏まえ,必要に応じて,特定の事項を取り上げて第1章総則の第2の3の(2)のウの(イ)に掲げる指導を行うことにより,指導の効果を高めるよう工夫すること。このような指導を行う場合には,当該指導のねらいやそれを関連付けて指導を行う事項との関係を明確にするとともに,単元など内容や時間のまとまりを見通して資質・能力が偏りなく育成されるよう計画的に指導すること。
- オ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科や音楽科,図画工作科など,他の教科等で児童が学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。
- カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
- キ 学級担任の教師又は外国語を担当する教師が指導計画を作成し,授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
(2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
- ア 2の(1)に示す言語材料については,平易なものから難しいものへと段階的に指導すること。また,児童の発達の段階に応じて,聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と,話したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留意すること。
- イ 音声指導に当たっては,日本語との違いに留意しながら,発音練習などを通して2の(1)のアに示す言語材料を指導すること。また,音声と文字とを関連付けて指導すること。
- ウ 文や文構造の指導に当たっては,次の事項に留意すること。
- (ア) 児童が日本語と英語との語順等の違いや,関連のある文や文構造のまとまりを認識できるようにするために,効果的な指導ができるよう工夫すること。
- (イ) 文法の用語や用法の指導に偏ることがないよう配慮して,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。
- エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,他者とコミュニケーションを行うことに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。
- オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
- カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返ったりすることができるようにすること。
(3)教材については,次の事項に留意するものとする。
- ア 教材は,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことなどのコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を総合的に育成するため,1に示す五つの領域別の目標と2に示す内容との関係について,単元など内容や時間のまとまりごとに各教材の中で明確に示すとともに,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮した題材を取り上げること。
- イ 英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然などに関するものの中から,児童の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。
- (ア) 多様な考え方に対する理解を深めさせ,公正な判断力を養い豊かな心情を育てることに役立つこと。
- (イ) 我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うことに役立つこと。
- (ウ) 広い視野から国際理解を深め,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うことに役立つこと。
その他の外国語
その他の外国語については,英語の1に示す五つの領域別の目標,2に示す内容及び3に示す指導計画の作成と内容の取扱いに準じて指導を行うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
- 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。
- 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,外国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
第4章 外国語活動
第1 目標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
- (1) 外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
- (2) 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。
- (3) 外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
第2 各言語の目標及び内容等・英語
1 目標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表]の三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 聞くこと
- ア ゆっくりはっきりと話された際に,自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにする。
- イ ゆっくりはっきりと話された際に,身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする。
- ウ 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする。
(2) 話すこと[やり取り]
- ア 基本的な表現を用いて挨拶,感謝,簡単な指示をしたり,それらに応じたりするようにする。
- イ 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする。
- ウ サポートを受けて,自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする。
(3) 話すこと[発表]
- ア 身の回りの物について,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- イ 自分のことについて,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- ウ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物などを見せながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
2 内容
〔第3学年及び第4学年〕
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴等に関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,次の事項を体験的に身に付けることができるよう指導する。
- ア 言語を用いて主体的にコミュニケーションを図ることの楽しさや大切さを知ること。
- イ 日本と外国の言語や文化について理解すること。
- (ア) 英語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに,日本語との違いを知り,言葉の面白さや豊かさに気付くこと。
- (イ) 日本と外国との生活や習慣,行事などの違いを知り,多様な考え方があることに気付くこと。
- (ウ) 異なる文化をもつ人々との交流などを体験し,文化等に対する理解を深めること。
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報や考えなどを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
- ア 自分のことや身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を使って,相手に配慮しながら,伝え合うこと。
- イ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどが伝わるよう,工夫して質問をしたり質問に答えたりすること。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項・① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のような言語活動を通して指導する。
ア 聞くこと
- (ア) 身近で簡単な事柄に関する短い話を聞いておおよその内容を分かったりする活動。
- (イ) 身近な人や身の回りの物に関する簡単な語句や基本的な表現を聞いて,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。
- (ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれた文字と結び付ける活動。
イ 話すこと[やり取り]
- (ア) 知り合いと簡単な挨拶を交わしたり,感謝や簡単な指示,依頼をして,それらに応じたりする活動。
- (イ) 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,好みや要求などの自分の気持ちや考えなどを伝え合う活動。
- (ウ) 自分や相手の好み及び欲しい物などについて,簡単な質問をしたり質問に答えたりする活動。
ウ 話すこと[発表]
- (ア) 身の回りの物の数や形状などについて,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら話す活動。
- (イ) 自分の好き嫌いや,欲しい物などについて,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら話す活動。
- (ウ) 時刻や曜日,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら,自分の考えや気持ちなどを話す活動。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項・② 言語の働きに関する事項
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。
ア 言語の使用場面の例
- (ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
- 家庭での生活
- 学校での学習や活動
- 地域の行事
- 子供の遊びなど
- (イ) 特有の表現がよく使われる場面
- 挨拶
- 自己紹介
- 買物
- 食事
- 道案内など
- (ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
イ 言語の働きの例
- (ア) コミュニケーションを円滑にする
- 挨拶をする
- 相づちを打つなど
- (イ) 気持ちを伝える
- 礼を言う
- 褒めるなど
- (ウ) 事実・情報を伝える
- 説明する
- 答えるなど
- (エ) 考えや意図を伝える
- 申し出る
- 意見を言うなど
- (オ) 相手の行動を促す
- 質問する
- 依頼する
- 命令するなど
- (ア) コミュニケーションを円滑にする
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,第5学年及び第6学年並びに中学校及び高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
- ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,三つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。
- イ 学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通じて外国語活動の目標の実現を図るようにすること。
- ウ 実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を行う際は,2の(1)に示す事項について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行うこと。また,英語を初めて学習することに配慮し,簡単な語句や基本的な表現を用いながら,友達との関わりを大切にした体験的な言語活動を行うこと。
- エ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科や音楽科,図画工作科など,他教科等で児童が学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。
- オ 外国語活動を通して,外国語や外国の文化のみならず,国語や我が国の文化についても併せて理解を深めるようにすること。言語活動で扱う題材についても,我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うのに役立つものとすること。
- カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
- キ 学級担任の教師又は外国語活動を担当する教師が指導計画を作成し,授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
- ア 英語でのコミュニケーションを体験させる際は,児童の発達の段階を考慮した表現を用い,児童にとって身近なコミュニケーションの場面を設定すること。
- イ 文字については,児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニケーションを補助するものとして取り扱うこと。
- ウ 言葉によらないコミュニケーションの手段もコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,ジェスチャーなどを取り上げ,その役割を理解させるようにすること。
- エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,相手とコミュニケーションを行うことに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。
- オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
- カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返ったりすることができるようにすること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
- 外国語活動においては,言語やその背景にある文化に対する理解が深まるよう指導するとともに,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を行う際は,英語を取り扱うことを原則とすること。
- 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,外国語活動の特質に応じて適切な指導をすること。